日本は地震大国であり、南海トラフ地震や首都直下型地震など大地震の発生が予測されているため、地震対策をすることは非常に重要です。
しかし、適切な対策が施されていない家屋は地震時に倒壊するリスクが高くなります。
本記事では、地震で倒壊しやすい家の特徴とその対策について詳しく解説していきます!
倒壊しやすい家の特徴
①旧耐震基準での設計
1981年以前に建てられた建物は、旧耐震基準で設計されています。
この基準は、震度5程度の中規模地震に耐えることを前提としていましたが、震度6や7の大地震に対する備えが不十分です。
そのため、1981年以前の建物の構造は地震に対して脆弱で、倒壊のリスクが高いとされています。
当時の建物は現在と比べて柱や梁が細く、さらに接合部の強度が不足している場合が多く、耐震性が低い傾向があります。
基礎部分の設計も今ほど重視されておらず、地盤の強度や基礎の深さに関する基準も緩い状況でした。
また、古い建物は長年にわたって風雨にさらされ、木材やコンクリートが劣化している可能性があり、この劣化が耐震性をさらに低下させる要因となります。
②不均等な重量配分
建物の重量が均等に分散されていない場合、地震時に倒壊しやすくなります。
たとえば、上層階に重い家具や家電が集中していると、建物全体の重心が高くなり、地震の際に揺れが増幅され、倒壊のリスクが高まります。
また、増築などで建物の一部に重さが偏ると、全体のバランスが崩れる可能性があります。
特に、構造計算を無視した改装は危険です。
③過剰な開口部
建物の壁面に窓やドアなどの開口部が多い場合、その部分の耐力壁が不足し、地震時に建物が倒壊しやすくなります。
特に、家の四隅や主要な壁に開口部が集中している場合、全体の構造が不安定になります。
たとえば、リビングルームなどに大きな窓が設けられている場合、見た目は開放的ですが、耐震性が犠牲になることがあります。
耐力壁がない部分では、建物の揺れに対する耐久性が低下します。
また、玄関ドアに加えて大きな窓やガラスパネルがある場合、建物の前面が弱くなる可能性があります。
このような配置は、地震時に前面からの衝撃を受けやすく、倒壊のリスクが高まります。
④施工不良
建物の施工時に手抜き工事や施工ミスがあると、構造が地震に対して脆弱になり、倒壊のリスクが高まります。
また、使用される建材の質が低い場合も、地震に対する耐久性が不足する原因となります。
具体的には、基礎部分の鉄筋が適切に配置されていない場合や、コンクリートの配合が不適切である場合、柱と梁の接合部がしっかり固定されていない場合は注意が必要です。
地震の揺れで接合部が破壊され、建物全体が崩壊する可能性があります。
また、使用される木材や鉄筋コンクリートの品質が低いと、経年劣化によって耐震性が著しく低下することがあります。
このように、地震で倒壊しやすい家には様々な特徴があります。
これらを理解し、適切な対策を講じることで、家族の安全を守ることができます。
倒壊を防ぐための対策
地震による家屋の倒壊を防ぐためには、様々な対策を講じることが重要です。
具体的な対策について詳しく解説します。
①耐震補強工事
古い建物や構造的に弱い箇所がある家屋は、耐震補強を行うことで倒壊のリスクを大幅に低減できます。
耐震補強工事には、建物全体の耐震性能を向上させるための多様な方法があります。
多くの自治体では、耐震補強工事に対する補助金制度が設けられています。
これを活用することで、工事費用の負担を軽減しつつ、家の耐震性を向上させることができます。
補助金の申請には、事前に耐震診断を受け、診断結果に基づいた工事計画を提出する必要があります。
②家具の固定
地震時に家屋が倒壊しない場合でも、家具が転倒することで負傷するリスクがあります。
特に、大きな家具が転倒すると、逃げ道を塞いでしまい、避難が困難になる可能性があります。
家具の固定は、こうしたリスクを減らすために非常に重要です。
家具の中身も、転倒防止に影響を与えます。
重い物を下の段に収納することで、家具の重心を低く保ち、地震時の安定性を高めることができます。
また、収納物が飛び出さないように、引き出しや扉にはロックを取り付けると良いでしょう。
③家具の配置見直し
家具や家電の配置によって、地震時の安全性が大きく変わります。
倒壊のリスクを軽減するためには、家具の配置を見直し、安全な場所に移動させることが重要です。
④耐震診断の実施
耐震診断は、建物が地震に対してどの程度の耐久性を持っているかを評価する診断です。
特に、1981年以前に建てられた家や、施工状態に不安がある建物では、耐震診断を受けることが推奨されます。
耐震診断を行うことで、自宅の耐震性に対する客観的な評価を得ることができます。
また、診断結果を元に適切な補強工事を行うことで、家族の安全を確保することができます。
診断結果が良好であれば、安心して暮らせるという心理的な安心感も得られます。
⑤建て替え・リフォームの検討
古い建物や耐震性が不足している場合、耐震補強工事だけでは不十分なことがあります。
このような場合、建て替えや大規模なリフォームを検討することが必要です。
リフォームを選択する場合は、家の現状や今後の使用状況を踏まえて、適切な補強箇所や設計を選ぶことが重要です。
専門家のアドバイスを受けながら、最適なプランを策定することをお勧めします。
また、万が一のことを考えて家のどこかに防災セットを装備しておくようにしましょう。
地震で倒壊しやすい家の特徴とその対策について解説しました。
地震はいつ起こるかわからないため、早めの対策が重要です。
あなたの家が安心・安全な住まいであることを確認し、必要な対策を講じましょう。
この機会に、耐震対策製品をチェックして、家族の安全を守る準備を整えてください!