2024年8月、株式市場は大暴落を迎え、多くの投資家や一般市民に大きな衝撃を与えています。
この急激な株式市場の変動は、日本の住宅価格にも影響を及ぼしています。
この記事では、株価大暴落で住宅価格はどうなっていくのか探っていきます!
株価大暴落の背景
2024年8月5日、日経平均株価は過去最大の下げ幅を記録し、その翌日には過去最大の上げ幅を記録するなど、日本の株式市場は乱高下を繰り返しています。
なぜこんなにも株価が大暴落したのでしょうか?
株価大暴落の要因には、以下のようなものが挙げられます。
①米国の景気悪化
まず挙げられるのが、米国の景気悪化です。
米国経済の減速が、グローバルな市場に波及しています。
具体的な要因としては以下があります。
- 消費者支出の減少:インフレや金利の上昇により、米国の消費者が支出を控える傾向が強まりました。特に、住宅や自動車などの高額商品への支出が減少し、企業の売り上げが落ち込んでいます。
- 製造業の低迷:米国内外の需要が減少し、製造業が低迷。特に、サプライチェーンの問題や関税の影響が、製造業者のコストを押し上げています。
- 雇用市場の不安:一部の企業がコスト削減のために従業員を削減する動きが見られ、雇用市場が不安定化しています。失業率の上昇が消費者の信頼感を低下させています。
②グローバルな経済不安
国際的な政治情勢の不安定化や、主要国の経済成長の鈍化が影響しています。
具体的には以下が挙げられます。
- 地政学的リスク:国際的な緊張が高まり、貿易や投資に対するリスクが増大しています。特に、中東やアジア地域での紛争が市場に不安を与えています。
- 主要国の経済成長の鈍化:ヨーロッパや中国などの主要経済圏が成長の減速を見せており、グローバルな需要が減少しています。特に、中国の経済成長の鈍化は、世界経済に大きな影響を与えています。
③インフレ率の上昇
物価上昇に伴い、2024年7月に日本銀行が追加利上げを決めたことで、企業の収益見通しが悪化し、株価に影響を与えました。
詳細には以下の通りです。
- 生活必需品の価格上昇:食料品やエネルギー価格が急騰し、消費者の購買力が低下しています。これにより、消費者が余暇や娯楽に使うお金が減少し、経済全体に悪影響を及ぼしています。
- 生産コストの増加:企業は原材料や労働力のコストが増加しているため、利益率が低下しています。この結果、企業の株価が下落しています。
④金融市場の調整
長期にわたる株価上昇の後、投資家が利益確定のために売りに出たことで、市場が調整局面に入りました。
具体的には以下が挙げられます。
- 過熱感の解消:長期間にわたる株価上昇が過熱感を生み、投資家がリスクを回避するために売却を行っています。
- 利益確定の売り:株価が高値に達したことで、多くの投資家が利益確定のために売却を行い、株価の下落を招いています。
株価大暴落が住宅市場に与える影響
株価の急落は、住宅市場に複数の影響を及ぼします。
主な影響は以下の通りです。
①資産効果の低下
株価が下落すると、多くの家庭の資産価値が減少します。
具体的には以下の通りです。
- ポートフォリオの価値減少:株式や投資信託に多額の資金を投入している家庭は、資産の減少により購買力が低下し、高額な住宅の購入を控える傾向があります。
- 消費支出の減少:資産が減少することで、消費支出も抑制され、住宅購入に充てる資金が減少します。
②消費者信頼感の低下
経済の不確実性が増すと、消費者信頼感が低下します。
具体的には以下の通りです。
- 将来の不安:経済状況の悪化に伴い、消費者は将来に対する不安を抱き、大きな買い物を控える傾向が強まります。
- 住宅購入意欲の低下:将来の収入や雇用状況が不透明な中で、住宅購入のリスクを避けようとする動きが強まります。
③金利の影響
2016年からマイナス金利政策を導入し、これまで0%〜0.1%程度の低金利で住宅ローンを借り入れることができていましたが、2024年7月に発表された追加利上げを受け、2024年8月現在では0.25%程度に引き上げられています。
今後さらに金利が引き上げられる可能性があり、実際にメガバンクでもすでに変動金利の水準を引き上げています。
具体的には以下の通りです。
- 住宅ローンの利息負担増加:金利が上昇すると、住宅ローンの利息負担が増加されるため、借り入れによる住宅購入マインドが減退されることもあります。
- 借り入れの減少:低金利環境では、借り入れコストが下がるため、住宅購入を検討する人が増えますが、金利が上昇すると住宅ローンの借入額が減り、頭金が増える可能性があります。
地域別の住宅価格への影響
日本国内でも地域によって住宅価格の動向は異なります。
以下は主要都市圏の動向です。
首都圏
東京都を中心とした首都圏では、需要が高いため価格の下落は緩やかです。
しかし、資産価値の減少により高級物件の売買は停滞する可能性があります。
具体的には以下の通りです。
- 高級物件の売買停滞:高級物件を購入する層は、資産価値の減少により購買力が低下し、売買が停滞することが予想されます。
- 中価格帯の安定:一方で、中価格帯の住宅は需要が堅調であるため、価格の下落は緩やかに留まると考えられます。
近畿圏
大阪府や京都府を含む近畿圏では、経済活動が活発であるため、価格の下落は比較的緩やかです。
しかし、中小規模の不動産業者への影響が懸念されます。
具体的には以下の通りです。
- 観光地の影響:京都などの観光地では、観光業の回復が住宅需要にプラスの影響を与える可能性があります。
- 中小規模の不動産業者のリスク:資金繰りの厳しい中小規模の不動産業者は、株価下落の影響を受けやすく、倒産リスクが高まる可能性があります。
中京圏
愛知県を中心とした中京圏では、自動車産業の影響を強く受けるため、株価の影響が直接反映されやすいです。
住宅価格の下落が予想されます。
具体的には以下の通りです。
- 自動車産業の低迷:自動車産業が主要な経済活動を担っているため、その低迷が地域経済に直結し、住宅価格の下落を招く可能性があります。
- 産業多様化の重要性:地域経済の安定のためには、産業の多様化が重要となります。
札幌都市圏
北海道の札幌市では観光業や農業の影響を受けるため、株価の影響は限定的ですが、全体的な消費者信頼感の低下により価格の調整が行われる可能性があります。
具体的には以下の通りです。
- 観光業の回復:観光業の回復が見込まれるため、観光関連の不動産需要が下支えする可能性があります
福岡都市圏
九州の福岡市ではアジアとの経済連携が強いため、国際的な経済不安の影響を受けやすいです。
具体的な影響は以下の通りです。
- 国際貿易の影響:福岡はアジアとの貿易が盛んなため、国際経済の動向に敏感です。貿易収益の減少が住宅市場に影響を与える可能性があります。
- 移住需要の変化:福岡は住みやすさや利便性から移住需要が高い地域ですが、経済不安が続くと移住のペースが鈍化し、住宅価格の調整が進む可能性があります。
不動産は今買っても大丈夫?
株価が乱高下している状況下で、不動産投資家と購入者が取るべきアプローチは以下の通りです。
分散投資
資産を株式だけに集中させず、不動産や債券、金などに分散させることでリスクを軽減します。
株価変動に対するリスクヘッジとして、不動産投資は検討する価値があります。
不動産は相対的に安定した資産として評価されます。
長期的な視点での住宅購入
住宅価格の短期的な変動に惑わされず、長期的な視点での購入を検討するのが良いでしょう。
金利は上昇局面にありますが、それでもまだまだ低金利ではあるので、低金利の恩恵を受けて住宅ローンを組むことで、長期的に見て有利な条件で住宅を購入することができます。
また、マイホームを欲しいと思ったタイミングが住宅の買い時です。
投資観点で購入するのではなく、年齢やライフステージなどを考慮し、今住宅が必要だと思ったら買うのがオススメです。
自分のライフスタイルや将来設計に合った理想の物件を探してみましょう。
資金計画の見直し
経済状況に応じて資金計画を見直し、無理のない範囲での購入を心掛けます。
特にローンの返済計画は慎重に立てる必要があります。
複数のシナリオで返済シミュレーションを行い、将来の経済状況に対するリスクを見てみましょう。
また、不測の事態に備えて緊急資金を確保しておくことで、経済的な安定を保つことができます。
2024年8月の株価大暴落は、日本の住宅市場にも多大な影響を与えています。
米国の景気悪化を含む複数の要因が影響しているため、消費者信頼感の低下や資産価値の減少により住宅価格の下落が予想されますが、地域ごとに異なる動向が見られます。
分散投資や長期的な視点での購入を心掛けることで、この不安定な時期を乗り切りましょう!