長期優良住宅、低炭素住宅、ZEH住宅という言葉を聞いたことはありますか?
最近のマンションでよく耳にする言葉ですが、どれも環境にやさしい家のことを指します。
それぞれ特徴や基準が異なるため、今回はそれらをまとめたいと思います。
長期優良住宅とは
長期優良住宅とは、住宅の品質と耐久性を向上させ、長期間にわたり住み続けるための住環境を提供する優良住宅のことです。
長期優良住宅の基準
長期優良住宅の基準は以下の通りです。
- 長期に使用するための構造及び設備がある
- 一定面積以上の住戸面積がある
- 居住環境などへの配慮が行われている
- 自然災害への配慮が講じられている
- 維持保全の期間・方法を定めている
長期優良住宅のメリット
劣化対策や災害対策が強化されていたり、高い耐震性能や省エネ性能を持ち合わせていることで長期にわたり安心安全で快適な暮らしができます。
そのため、子供や孫世代まで住み続けることも可能になります。
また、住宅ローン減税や投資型減税、住宅ローン金利の引き下げといった税制面などでの優遇を受けることもできます。
長期優良住宅のデメリット
長期優良住宅の認定を受けるために時間や手数料がかかるため、自身で家を建てる場合は着工前に申請するようにしましょう。
また、高い耐震性能や省エネ性能、劣化対策などが必要になるため、一般的な住宅に比べて建設コストが高くなる可能性があります。
工事が完了した後も認定を受け続けるためには、維持保全計画に従った定期点検やメンテナンスが必要になってきます。
維持保全計画に沿っていな買ったり、改善命令に違反した場合は、認定の取り消しや補助金や優遇を受けていた税金の返還を求められることがあるため、注意しましょう。
低炭素住宅とは
低炭素住宅は、二酸化炭素(CO2)排出量を削減し、地球温暖化に対する寄与を抑えるなど、環境に対する負荷を低減することを重視した住宅のことです。
低炭素住宅は、再生可能エネルギーの利用、エネルギー効率の向上、省エネ設備の導入などに焦点を当てています。
低炭素住宅の基準
低炭素住宅の基準は以下の通りです。
- 省エネ法の省エネ基準に比べ、一次えねるぎー消費量が−20%以上になること
- 再生可能エネルギー利用設備が設けられていること
- 省エネ効果による削減量と再生可能エネルギー利用設備で得られるエネルギー量の合計値が、基準一次エネルギー消費量の50%以上であること(戸建住宅のみ)
- その他の低炭素化に資する措置(選択項目)が講じられていること
低炭素住宅のメリット
住宅ローン控除を利用することができ、適用される借入限度額が一般的な住宅よりも2000万円上乗せされた5000万円となります。
2024年以降、一般的な住宅は住宅ローン控除の対象外となりますが、低炭素住宅は引き続き控除を受けることが可能です。
また、登録免許税の優遇措置や地域型住宅グリーン化事業の補助金がもらえる可能性があるなど、よりお得に住宅を取得することができます。
低炭素住宅のデメリット
低炭素住宅の認定基準を満たすための省エネ設備が必要となるため、一般的な住宅よりも建設コストが高くなります。
また、原則として市街化区域内に建築される住宅が対象となるため、低炭素住宅の建築対応エリアが限られてしまいます。
ZEH住宅とは
ZEH住宅は、ゼロ・エネルギー・ハウスの略で、建物が年間を通じて自己消費できるほどのエネルギーを生産し、実質的にゼロエネルギー消費を達成する住宅のことです。
ZEH住宅は、高い断熱性能、太陽光発電、エネルギー効率の高い設備などを特徴としています。
政府は、2020年までにハウスメーカーなどが新築する注文住宅の半数以上をZEHにし、2030年までに建売や集合住宅を含む新築住宅の平均でZEHの実現を目指すと発表しています。
そのため、今後はZEH住宅は日本の住宅のスタンダードになると言えるでしょう。
ZEH住宅の基準
ZEH住宅の基準は以下の通りです。
- 強化外皮基準が0.6〜0.4以下
- 基準一次エネルギー消費量を20%以上削減
- 再生可能エネルギー導入
- 上記3つにより、基準一次エネルギー消費量から100%削減
ZEH住宅のメリット
省エネシステム・断熱の強化・太陽光発電により、光熱費を削減することができます。
太陽光発電で余った電力を電力会社に売電することで収益に繋げることができたり、発電したエネルギーを備えておける蓄電池を設置すると1kWhごとに3万円の補助金がもらえます。(上限30万円)
また、国が定めたZEH住宅の基準を満たすと補助金がもらえるなど、コスト面で様々な優遇を受けることができます。
ZEH住宅のデメリット
太陽光発電は天候に左右されるため、天気が悪い日は発電量が減少するなど、安定した電力を得ることは難しくなります。
また、各種省エネ設備を導入するためのイニシャルコストや長く使うためのメンテナンスコストがかかるため、一般的な住宅よりもコストが高くなりやすいです。
これらの住宅の目標は異なりますが、共通して持つ特徴は、エネルギー効率の向上と環境への負荷の削減を重要視していることです。
自身のニーズや予算、環境へのコミットメントに合わせて住宅のタイプを選んでみてください。