注文住宅を建てる際には、自分の理想とする家を実現するために、フルオーダー住宅とセミオーダー住宅のどちらを選ぶべきかを慎重に検討することが重要です。
この記事では、フルオーダー住宅とセミオーダー住宅の違いや、それぞれのメリット・デメリットを詳細に解説し、どのような人にどちらのタイプが適しているのかを考察していきます。
フルオーダー住宅とは
フルオーダー住宅とは、顧客の希望や要望を最大限に反映させ、一から設計する完全オーダーメイドの住宅のことです。
土地の形状や日当たり、周囲の環境を考慮しながら、間取りやデザイン、使用する材料に至るまで、細部にわたってオーダーメイドできるのが最大の特徴です。
メリット
①完全オリジナルの家が建てられる
フルオーダー住宅では、この世にたった一つの自分だけのオリジナル住宅を実現できます。
車が好きな人はリビングにいながら愛車を眺められるようなガレージハウスをつくることができたり、海が好きな人はラップサイディングにこだわった西海岸風のサーファーズハウスをつくることができます。
他にも、自然素材にこだわった家や地下室・防音室のある家、子供の頭が良くなる間取りの家など、志向性に合わせて自由に設計・施工できる点が特徴です。
②細かな要望やこだわりが反映できる
細かな要望やこだわりを反映させることができ、理想の家を建てることが可能です。
建築会社によっては1mm単位の自由設計が可能なところがあり、LDKや居室、収納などを普段のライフスタイルや身長などに合わせてこだわることができます。
③土地を有効活用できる
土地の形状や条件に合わせた設計が可能なため、土地を有効に活用できます。
所有地や検討・購入している土地が狭小地や変形地の場合であっても、その土地を十分に活かすことで敷地面積から想定できる延床面積以上の広さを確保することができるため、スペパにこだわりたい方にはとてもオススメです。
デメリット
①コストが高くなる傾向がある
完全オーダーメイドのため、コストが高くなりがちです。
こだわりが強く、標準仕様だけでは満足できない人はオプションを盛り盛りに付けることになるので、予算オーバーしてしまうケースも少なくありません。
②建築に時間がかかる
細部にわたる打ち合わせや設計変更が多いため、建築期間が長くなることがあります。
工事期間を短縮することは難しいため、希望の入居時期がある場合、そのタイミングで入居できない可能性があるかもしれません。
③計画の難易度が高い
自分の理想を形にするためには、多くの決定を要するため、計画難易度が高くなります。
自分のこだわりや夢を言語化する必要があるだけでなく、担当営業や設計士などにそれを上手く伝える必要も出てきます。
また、夫婦や親子など家族間での要望のすり合わせにもひと苦労することでしょう。
家族それぞれの希望が異なる場合、お互いに妥協して歩み寄らなければなりません。
セミオーダー住宅とは
セミオーダー住宅とは、あらかじめ用意されたプランの中から選び、そのプランをもとに一部カスタマイズを加えることで、自分好みの住宅を建てる住宅のことです。
完全なオーダーメイドに比べるとカスタマイズの自由度は低いものの、コストや建築期間を抑えやすいという特徴があります。
メリット
①コストパフォーマンスが良い
基本的な設計があらかじめ決まっているため、フルオーダーよりもコストを抑えやすいです。
あらかじめ予算が決まっていて、予算オーバーが許されないものの注文住宅を建てたい人にとっては適したプランと言えるでしょう。
②建築期間が短い
既存のプランをベースにするため、設計から完成までの期間が短くなります。
子供の入園・入学タイミングに合わせて入居したいなど入居時期の希望がある人や、何度も打ち合わせを重ねることに面倒臭さを感じる人などにはオススメです。
③選択がしやすく手間がかからない
いくつかのプランの中から選ぶだけなので、選択肢が限られ、決定が比較的容易になります。
そこまでこだわりがない人にとってはちょうど良いですね。
また、フルオーダーと比べると自由度が限られると言っても、ちやんと設計士が考えて作ったプランになるので、どれを選んでも失敗することはまずないですし、オシャレな家を建てることが可能です。
デメリット
①カスタマイズに制限がある
フルオーダーに比べると、変更できる範囲に限りがあります。
この部分だけ自分たちに合うように変えたいと思ってもプランによっては難しいとお断りされることもあるので注意が必要です。
②他の家と似たデザインになりがちになる
ある程度型にはまった設計となるため、他の住宅と似たデザインになる可能性があります。
同じ建築会社で同じプランで建てた人と間取りやデザインなどの設計が似てしまうのは仕方ないことですが、注文住宅ならではの唯一無二感を味わうことは難しいでしょう。
③理想とのギャップが生じることがある
完全なオーダーメイドではないため、細かな部分で妥協が必要になることがあります。
いざ住んでみると思い描いていた家とのギャップが生じ、使い勝手の悪さを感じることもあるかもしれません。
実物を見ることができないという点ではフルオーダーでも入居前後でギャップが生じる可能性はもちろんありますが、セミオーダーはライフスタイルに合わせて細かく設計したり、こだわりを反映することに制限がかかる分、フルオーダーよりもギャップを感じやすいと言えます。
どちらを選ぶべきか
フルオーダー住宅は、完全に自分だけの理想の家を実現したい、具体的なデザインや機能性にこだわりがある人に適しています。
一方、セミオーダー住宅は、コストや建築期間を抑えつつ、ある程度のカスタマイズで満足できる人や、初めての家づくりで選択肢から選ぶ方が安心できる人に向いています。
どちらのプランを選ぶかは、予算、建築にかけられる時間、自分の理想とする住宅像、そして家づくりにおけるこだわりの度合いによって異なります。
自分のライフスタイルや将来設計を考え、最適な住宅建築方法を選ぶことが大切です。
注文住宅を建てる際のフルオーダー住宅とセミオーダー住宅の違い、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説しました。
どちらを選ぶべきかは、理想とする家に対するこだわりや予算、建築期間の希望によります。
自分自身のニーズに最も適した方法を選び、理想の家づくりを実現してください。
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