住宅購入は多くの人にとって人生の大きな節目であり、その際に利用できるお得な制度や支援策があれば大きな負担を軽減することができます。
2024年の住宅市場では、様々な制度や支援策が提供されています。
この記事では、2024年の最新の住宅購入時のおトクな制度をまとめます。
住宅ローン控除
住宅ローン控除とは、原則10年間にわたって年末の住宅ローン残高の最大1%が所得税・住民税から控除される制度のこと。
今までも住宅ローン控除は存在していましたが、2024年になり制度内容が変更されています。
新築住宅なのか中古住宅なのか、住宅の環境性能がどのレベルなのかによって控除期間が10年間か13年間のどちらかになり、ローン残高の上限や全期間の最大控除額が異なります。
新築住宅の床面積要件を40㎡以上に緩和する措置についても、建築確認の期限を2024年12月31日に延長されています。(※ただし、合計所得額1,000万円以下の年分に限ります。)
また、対象者のうち”子育て世帯・若者夫婦世帯”が2024年に入居する場合は、2022年・2023年入居の場合の借入限度額水準を維持となっており、認定住宅は5,000万円、ZEH水準省エネ住宅は4,500万円、省エネ基準適合住宅は4,000万円が借入限度額となります。
ちなみに、子育て世帯・若者夫婦世帯とは、住宅ローン減税においては「19歳未満の子を有する世帯」または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」(※年齢の判定は居住開始年の12月31日時点となる予定)と定義されています。
【2024〜2025年入居の場合】 | 控除期間 | ローン残高の上限 | 全期間の最大控除額 |
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<新築住宅※買取再販含む> 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 | 13年 | 4,500万円 | 409.5万円 |
<新築住宅※買取再販含む> ZEH水準省エネ住宅 | 13年 | 3,500万円 | 318.5万円 |
<新築住宅※買取再販含む> 省エネ基準適合住宅 | 13年 | 3,000万円 | 274万円 |
<新築住宅※買取再販含む> その他の住宅 | 10年 | 2,000万円 | 140万円 |
<中古住宅> 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅 | 10年 | 3,000万円 | 210万円 |
<中古住宅> その他の住宅 | 10年 | 2,000万円 | 140万円 |
子育てエコホーム支援事業
子育てエコホーム支援事業は、エネルギー価格などの物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援することで子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資の下支えを行い、2050年のカーボンニュートラルの実現を図る事業です。
新築住宅の取得により、ZEH住宅であれば80万円/戸、長期優良住宅であれば100万円/戸の補助を受けることができます。(※市街化調整区域や土砂災害警戒区域または浸水想定区域は原則半額の助成となります。)
また、既存住宅をリフォームした場合、子育て世帯・若者夫婦世帯であれば最大60万円の補助を受けることができます。(※それ以外の世帯はリフォームにより最大20万円。)
ちなみに、子育て世帯・若者夫婦世帯とは、子育てエコホーム支援事業においては「2023年4月1日時点で18歳未満の子を有する世帯」または「2023年4月1日時点で夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」と定義されており、前述の住宅ローン控除における定義と若干異なるので注意しましょう。
対象工事の着手期間は2023年11月2日以降で、交付申請期間は2024年3月中下旬〜予算上限に達するまで(遅くとも2024年12月31日まで)となります。
2023年の子育てエコホーム支援事業が2023年9月末で終了したことを考えると、今回も年末を待たずに締め切られる可能性があるため、早めに申し込んでおくのがオススメです。
住宅種別 | 補助額 |
---|---|
注文住宅の新築・新築分譲住宅の購入の場合 | ・長期優良住宅:100万円/戸 ※市街化調整区域や土砂災害警戒区域または浸水想定区域の場合、50万円/戸 ・ZEH住宅:80万円/戸 ※市街化調整区域や土砂災害警戒区域または浸水想定区域の場合、40万円/戸 |
既存住宅のリフォームの場合 | ・子育て世帯・若者夫婦世帯:上限30万円/戸 ・その他の世帯:上限20万円/戸 ※子育て世帯・若者夫婦世帯が既存住宅購入を伴う場合、上限60万円/戸 ※長期優良リフォームを行う場合は、 ・子育て世帯・若者夫婦世帯:上限45万円/戸 ・その他の世帯:上限30万円/戸 |
東京ゼロエミ住宅助成事業(※東京都のみ)
東京ゼロエミ住宅とは、高い断熱性能の断熱材や窓を用いたり、省エネ性能の高い照明やエアコンなどを取り入れた人にも地球環境にもやさしい東京都独自の住宅のことです。
そして、そのような住宅に対して補助金を支給する制度が東京ゼロエミ住宅助成事業です。
省エネに加えて高断熱化によって快適な室温が維持されるため、各部屋の温度差が小さくなり、ヒートショックの抑制や光熱費削減に繋げることができます。
東京都では2050年までに世界のCO2排出実質ゼロに貢献する「ゼロエミッション東京」の実現のため、2030年までに温室効果ガス排出量を2000年比で50%削減する「カーボンハーフ」を表明しました。
温室効果ガス排出量の約30%を占める家庭からの排出量を減らすためには、住宅の省エネ性能を高めることが必要であることから、このような事業が推進されています。
2024年10月1日~新基準ができるだけでなく、再エネ設備(太陽光発電設備等)の原則設置が要件化され、2024年9月30日までに設計確認申請を行った案件は現行基準で、2024年10月1日以降の案件は新基準で認証・助成を行います。
また、基準の見直しに併せて新基準に応じた助成額が設定され、現行基準による設計確認を受けた場合には現行助成額を、新基準による設計確認を受けた場合には新助成額をそれぞれ適用します。
具体的な助成額は戸建住宅か集合住宅かで異なり、断熱性能水準に応じて補助が受けられるだけでなく、太陽光発電や蓄電池などを設置した場合は追加補助を受けられるケースもあります。
現行助成額の交付申請受付は2024年12月末までです。
2024年の住宅市場では、様々な制度や支援策が提供されており、住宅購入をサポートする仕組みが整っています。
子育てエコホームと東京ゼロエミ住宅助成事業を併用することで補助額を増やすことも可能です。(※子育てエコホームとZEHは併用不可であり、国庫補助金を財源としている制度も併用不可。)
低金利ローンや減税制度など、これらの制度や支援策を上手に活用することで、住宅購入の負担を軽減し、理想の住まいを手に入れることができます。
制度や条件は変動する可能性があるため、最新の情報を確認した上でおトクに住宅購入を検討してみてくださいね。